- 「墓じまいって最近よく聞くけど、どれくらい費用がかかるのかな?」
- 「墓じまいの費用の内訳が知りたい」
- 「墓じまいの費用を抑える方法ってあるの?」
墓じまいをしようかなと思うけれど、費用はどれくらいかかるのかな、少しでも安くしたいなと悩んでいませんか?
私は終活ガイド2級の資格があり、石材販売店に約10年事務員として勤務していました。
現在のお墓事情にかなり詳しいです。
この記事ではさらに、私自身が墓じまいの相談を実体験したことを含めて下記について解説します。
この記事でわかること
- 墓じまいの費用相場
- 費用を安く抑える3つの方法・払えないときの2つの方法
- 墓じまいの費用内訳
- 遺骨の供養先6つと費用
- 墓じまい代行の費用
- 墓じまいの流れ7ステップ
- 墓じまいのメリット・デメリット
この記事を読めば墓じまいの費用を抑える方法や相場、内訳がよくわかりますよ!
ぜひ最後まで読んで、墓じまいをするときの参考にしてください。
墓じまいの費用相場は40万から250万【大きく分けて3つの費用】
墓じまいには大きく分けて次の3つの費用が必要です。
- 墓石撤去に関する費用
- 約30万~50万円
- 行政手続きに関する費用
- 約数百円~1500円
- 新しい供養先に関する費用
- 約8万~200万円
- 総額 約40万~250万円
下の図を見てもらうとわかりやすいと思います。
ポイント
「墓じまい」は現在あるお墓を解体・撤去して墓地を更地にし、管理者に返還します。
お墓から取り出した遺骨は、墓地以外の区域に埋蔵してはならないと法律で決められています。
遺骨は新たな供養先に納める必要があります。
参考:厚生労働省 墓地、埋葬等に関する法律
墓じまいの費用って、撤去費用だけじゃないのね。
自治体への手続き費用や、新しい供養先の費用も必要なんですよ。
このあと費用の内訳について詳しく解説します。
先に費用の内訳を知りたい方は よくわかる墓じまいの費用内訳へどうぞ。
墓じまいの費用を抑える3つの方法
できれば墓じまいの費用を少しでも安く抑えたいですよね。
費用を安くできる3つの方法をご紹介します。
- 石材店の工事見積を比較する
- 遺骨の新しい供養先を選ぶ
- 自治体の助成金を利用する
一つずつ見ていきましょう。
1.石材店の工事見積もりを比較する
石材店により価格が異なるので、複数店から見積もりをとって比較検討しましょう。
私は石材店に勤務していた経験があるのでわかりますが、ある程度なら値引きしてもらえる可能性があります。
まずは複数店から見積もりをとって、価格交渉してみるのもいいでしょう。
2.遺骨の新しい供養先を選ぶ
墓じまい後の新しい供養先には、さまざまなものがあります。
比較的費用がかからない、永代供養墓(合祀墓 ごうしぼ)や、散骨、手元供養にするとよいでしょう。
このあと新しい供養先の種類や費用について、詳しく解説しますので参考にしてください。
先に新供養先の種類や費用について知りたい方は 墓じまい後の供養先6つの費用へ。
3.自治体の助成金を利用する
自治体によって、墓じまいに助成金を出しているところがあります。
ぜひ利用して墓じまい費用の足しにしたいですね。
お住まいの自治体のHPを確認するか、問い合わせてみてください。
千葉県市川市の助成金の例です。
ポイント
お墓の永代使用権を所有している人を祭祀継承者(さいしけいしょうしゃ)といい、お墓の継承者です。
参考:民法 第897条 民法 | e-Gov法令検索
墓じまいの費用は、お墓の継承者が支払うのが一般的です。
継承者は順番に子どもに引き継がれていくことが多いです。
子どもがいない場合や継承者が金銭的に支払うのが困難なら、親族間でよく話し合うのが大切です。
また、故人があらかじめ生前に費用を準備していることもあるので、よく確認しましょう。
墓じまいの費用が払えないときの2つの方法
墓じまいの費用が払えないときは、どうしたらいいの?
次にご紹介する2つの方法がありますよ!
- 親族の協力を得る
- 銀行のメモリアルローンを組む
順に見ていきましょう。
1.親族の協力を得る
どうしても墓じまいの費用が払えないときは、兄弟や親族に相談してみましょう。
協力を得られるかどうかわかりませんが、ご先祖様の供養のことなので親族も考えてくれるのではないでしょうか。
2.銀行のメモリアルローンを組む
銀行によって、墓じまい費用のローンを組めることがあります。
愛知銀行のメモリアルローンの例です。
そのほかにも、フリーローンやカードローンを墓じまいに利用できる銀行もあります。
助成金やローンがあるのは助かるわ!
自治体や銀行のHPを見たり、相談するとよいでしょう。
よくわかる墓じまいの費用内訳
墓じまいの費用は大きく分けて3つあるとお伝えしましたが、内訳を詳しく解説します。
- 墓石撤去に関する費用
- 行政手続きに関する費用
- 新しい供養先に関する費用
一つずつ解説します。
1.墓石撤去に関する費用 約30万円~50万円
1.墓石撤去工事に関する費用 約20万円~30万円
今ある墓石を解体し撤去する工事費用のことです。
墓石や敷地の大きさ、設置場所、撤去方法により違いますが1㎡あたり約10万円が相場です。
地域や霊園にもよりますが、敷地は約2㎡~3㎡の広さが多く、墓石も敷地の大きさに合わせたサイズにすることが多いです。
特別に大きな敷地や墓石でなければ約20万円~30万円です。
2.閉眼供養のお布施 約3万円~10万円
一般的に約3万円~10万円です。
閉眼供養とは?
墓じまいをする前に、お寺の僧侶にお墓から故人の魂を抜いてもらうこと
お墓の前で読経をしてもらい法要をおこなう
3.離檀料(りだんりょう) 約3万円~10万円
法要の1~3回分が相場とされています。
約3万円~10万円です。
離檀料とは?
墓じまいをする際に檀家(お寺の信徒になっている家)を離れるため、お寺に対して今までお世話になった感謝の気持ちとして包むもの
2.行政手続きに関する費用は数百円~1500円
墓じまいをするときは「改葬許可証」が必要です。
「改葬許可証」を発行してもらうには、まず次の3つの書類が必要です。
- 受入証明書
- 改葬許可申請書
- 埋蔵証明書
3つの書類を現在あるお墓の市区町村役場に提出すると、「改葬許可証」が発行されます。
これらの書類を発行してもらうためにかかる費用は、約数百円~1500円です。
「改葬許可証」は今あるお墓から遺骨を取り出す時や、新しい納骨先に提示する必要があるので大切に保管しましょう。
改葬許可証の発行に必要な書類
書類名 | 発行元 |
①受入証明書 | 新しい納骨先の管理者 |
②改葬許可申請書 | 現在のお墓がある市区町村役場 |
③埋蔵証明書 | 現在のお墓の管理者 |
改葬許可証の発行
- 受入証明書
- 改葬許可申請書
- 埋蔵証明書
現在あるお墓の市区町村役場に①+②+③を提出すると「改葬許可証」が発行される
- 「改葬許可証」は、現在あるお墓の管理者に提示して遺骨を取り出す
- 新しい納骨先の管理者に提出し遺骨を納骨する
ポイント
「受入証明書」は、新しいお墓を立てる場合(改葬という)はもちろん必要になる
新しいお墓を建てずに、永代供養墓などほかの供養方法にするときも必要な場合がある
「墓じまい」と「改葬」ってどう違うの?
「墓じまい」は供養の形を変えると考え、「改葬」はお墓の引っ越しと考えればわかりやすいでしょう。
3.新供養先に関する費用は8万円~200万円
1.新しい供養先での納骨費用 約5万円~200万円
約5万円~200万円です。
遺骨を納骨する方法により、かなり費用が違います。
新しい供養先の費用についてはこのあと詳しく解説しますが、永代供養墓なら約5万円から必要になります。
新しくお墓を立てる場合、必要な費用は約50万円からです。
2.開眼供養のお布施 約3万円~10万円
一般的に約3万円~10万円です。
開眼供養とは?
新しい供養先に納骨するときに、僧侶に来ていただいて魂を入れてもらうこと
供養先で読経してもらい法要をおこなう
墓じまい後の供養先6つの費用は数千円から200万円
墓じまい後の供養先はおもに次の6つがあります。
- 一般墓所
- 納骨堂
- 永代供養墓
- 樹木葬
- 散骨
- 手元供養
一つずつ詳しく見ていきましょう。
1.一般墓所 約50万円~200万円
約50万円~200万円です。
新しい墓地に新たにお墓を建てる方法。
お墓の設置場所や墓石の種類により、かかる費用が違います。
ポイント
今ある墓石の状態によりできるかどうかわからないが、今ある墓石をそのまま新しい墓地に持って行って設置する方法もある
今ある墓石を持っていけるのなら、新しい墓石を購入しなくてよいので費用が抑えられる
今ある墓石を持っていけるかどうか、石材店に相談してみましょう。
2.納骨堂 約20万円~100万円
約20万円~100万円です。
遺骨を納めるための建物で、扉がついた棚があるものや仏壇がついているものもあります。
3.永代供養墓 約5万円~100万円
約5万円~100万円です。
永代供養を目的に建てられたお墓で、個別に納骨するものと合祀(ごうし)(ほかの遺骨と一緒に納骨するもの)があります。
合祀(ごうし)の場合は費用が抑えられますが、他の遺骨と一緒に納骨されるのであとから別に納骨したい思ってもできません。
よく考えてから選びましょう。
4.樹木葬 約10万円~100万円
約10万円~100万円です。
遺骨をシンボルツリーや草花の周辺に埋葬します。
5.散骨 約5万円~50万円
約5万円~50万円です。
遺骨を粉状にして、海や野山にまく供養方法。
6.手元供養 約数千円~10万円
約数千円~10万円。
小さい骨壺やアクセサリーに遺骨を納めておくもの。
いろいろな供養方法があるのね。
費用も違うのでよく考えて決めましょう。
こちらでは海洋散骨をはじめ納骨堂、永代供養、樹木葬、手元供養など、さまざまな供養の形を相談できますよ。
全国海域対応,粉骨費用込み,追加費用なしの安心の葬送業者は【みんなの海洋散骨】墓じまい代行の費用は約5万円から25万円
忙しくて墓じまいの手続きをする時間がないという場合は、墓じまい代行を依頼することもできます。
おもに次の2つの方法があります。
- 行政書士に依頼する
- 墓じまい代行業者に依頼する
一つずつみていきましょう。
1.行政書士に依頼する 約5万円~15万円
行政書士に依頼するとかかる費用は、約5万円~15万円です。
依頼できるのはおもに行政書類手続き代行ですが、そのほかのことも代行してくれる場合があります。
たとえば、墓地管理者への連絡や撤去業者手配、新供養先の紹介などです。
代行してほしい内容により費用が変わりますが、思ったより高額になることもあるので注意しましょう。
2.墓じまい代行業者に依頼する 約20万円~30万円
墓じまい代行業者に依頼するとかかる費用は、約20万円~30万円です。
依頼できるのはおもに墓石撤去に関する費用ですが、こちらもそのほかのことも代行してくれる業者もあります。
行政書類手続き代行や、新供養先への納骨なども依頼できる場合もあります。
やはり墓石撤去のみを依頼するよりも高額になりますのでよく考えてから決めましょう。
墓じまいの相談に行った実体験
我が家には夫の両親が建てたお墓がいなかにあって、夫の祖母と父親がまつられています。
私たち夫婦にはひとり娘がいて今は同居していますが、将来どこに住むかわかりません。
私たちは将来、今あるお墓で供養してもらわなくてもいいかなと思っていました。
もし私たちが今あるお墓で供養してもらわないとしても、娘はお墓がある限り手入れをして維持していかなくてはならないのです。
夫と相談した結果、私たちができるまでは今あるお墓を守ることになりました。
娘に負担はかけたくないので、私たちが高齢になる前に墓じまいをしようと思っています。
少し前になりますが、永代供養をしてくれる納骨堂のあるお寺に見学と相談に行ってきました。
たまたまお寺の宗派と我が家の宗派が同じだったのですが、宗派が違っても永代供養をしてくれるとのことでした。
私が長年石材店で事務をしていたときも、墓じまいをして永代供養をする人が増えていました。
永代供養をしてくれるお寺は、宗派が違ってもよいというところが多かったです。
本堂の横に納骨堂があり、扉がついた個別の棚が並んでいました。
お寺によっても違いますが相談に行ったお寺では、永代使用料として5万円と納骨1体20万円が必要とのこと。
それ以外の費用は必要なく、遺骨を永代にわたりお彼岸やお盆に供養をし、管理をしてくれるので安心できます。
墓じまいを考えている人は、新しい供養先を見学したり相談にいくといいですよ。
こちらでは海洋散骨をはじめ納骨堂、永代供養、樹木葬、手元供養など、さまざまな供養の形を相談できますよ。
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ここで改めて墓じまいの流れを確認しておきましょう。
この7ステップに沿ってすすめればOKです!
親族と墓地の管理者に墓じまいの意向を伝える
新しい供養先を決める
行政書類手続き
閉眼供養(お墓に入っている魂を抜く)、遺骨取り出し
墓石の解体、撤去工事
新しい供養先に納骨
開眼供養(魂を入れる)
墓じまい3つのデメリット
墓じまいをするのは以下の3つのデメリットがあります。
- 撤去工事に費用がかかる
- 親族とトラブルになることがある
- 寺院とトラブルになることがある
順にみていきましょう。
1.撤去工事に費用がかかる
墓石の撤去工事費用は、敷地の大きさや設置場所によって高額になることもあります。
先に解説したように、複数の業者や石材店から見積もりをとって比較するのが大切です。
また、新供養先に費用がかからないものを選んだり、自治体の助成金を利用したりして費用を抑えましょう。
2.親族とトラブルになることがある
親族に墓じまいを反対されることがあるかもしれません。
将来のことを考えて墓じまいをしようと思ったことなど、自分の思いを話して理解してもらいましょう。
費用や新供養先についても詳しく説明して、あとからもめないようによく話し合うのがよいでしょう。
3.寺院とトラブルになることがある
寺院により墓じまいを拒否されたり、高額な離檀料を請求されたりすることもあるかもしれません。
墓じまいをしたい旨を、必ず事前に寺院に伝えておくのが大切です。
将来のことを含め、ご先祖様の供養について自分が考えていることを真摯に話せば、きっと寺院にも伝わるのではないでしょうか。
墓じまい4つのメリット
墓じまいには以下の4つのメリットがあります。
- 費用面の負担がなくなる
- お墓の維持、管理の負担がなくなる
- 無縁仏を防ぐ
- 安心できる
一つずつみていきましょう。
1.費用面の負担がなくなる
お墓の管理者へ支払う年間管理費や、お墓参りにかかる費用がなくなります。
墓じまいのときは費用がかかりますが、その後はずっとほとんど費用はかかりません。
2.お墓の維持、管理の負担がなくなる
1年間に何回かお墓参りに行くと思います。
そのたびにしなければならなかった墓石や敷地の掃除、除草などの負担がなくなります。
特に高齢になったときや、お墓が遠方だと負担が増してくるでしょう。
墓じまいをすれば維持、管理の負担がなくなります。
3.無縁仏を防ぐ
お墓の継承者がいないなどの理由から、年間管理費が支払われずお墓参りがされないことが増えています。
草が伸びたり、掃除がされないなど放置されているお墓を見かけたこともあるのでは。
管理費が一定期間支払われずに放置されると「無縁仏」とみなされ、管理者から契約が解除されます。
遺骨が取り出され、無縁仏をまつる無縁墓などに合祀(ごうし)されてしまうのです。
無縁墓などに合祀(ごうし)されると、遺骨は取り出すことができません。
こうした無縁仏になってしまうのを防げます。
3.安心できる
お墓があると、お彼岸やお盆にはお墓参りに行かなければと思いますね。
墓じまいをしたあとは、お墓参りに行かなければならないという心の負担がなくなり、気持ちが楽になります。
新しい供養方法によって違いますが、自分のペースでご先祖さまを偲んで供養していけるのではないでしょうか。
墓じまいの費用を抑えて新しい供養を
墓じまいをするときは、これまでご紹介したなるべく費用を抑える方法をぜひ参考にしてみてください。
墓じまい後は新しい供養の形として、これからもご先祖さまに感謝していくことが大切ではないでしょうか。
私は墓じまいの相談をして、これからのご先祖さまの供養について考えることができてよかったです。
あなたも墓じまいの費用について知ったうえで、ご先祖さまの供養をどのようにするか考えてみてはいかがでしょうか。
こちらでは海洋散骨をはじめ納骨堂、永代供養、樹木葬、手元供養など、さまざまな供養の形を相談できますよ。