- 「1日葬って聞いたことあるけど、どんな流れでするのかな?」
- 「1日葬と家族葬はどう違うの?」
- 「1日葬は費用が安く抑えられる?」
最近の葬儀・告別式は、一般葬よりも家族葬が多くなっていますが、なかでも1日葬をする人が増えています。
下の表は、2017年の公正取引委員会の報告書です。
葬儀の種類別の年間取扱件数は、一般葬が全体の63.0%を占めていますが「家族葬」、「直葬(火葬式)」、「1日葬」が増加しています。
葬儀はコロナ禍以降、ますます少人数で簡素化の傾向です。
増加傾向にある葬儀の種類(取扱件数)
回答数 | 割合 | |
家族葬 | 554 | 51.1% |
直葬(火葬式) | 284 | 26.2% |
一日葬 | 185 | 17.1% |
一般葬 | 58 | 5.4% |
社葬 | 3 | 0.3% |
合計 | 1,084 | 100.0% |
直葬(火葬式)とは?
通夜や葬儀・告別式をおこなわず、近親者だけで弔い火葬する
この記事では、終活ガイド2級の私が実際に1日葬の事前相談に行った体験をもとに、以下について解説します。
あまり知られていない、葬儀の補助金についても解説します!
最後まで読めば1日葬のことがよくわかりますよ。
この記事でわかること
- 1日葬の流れ
- 家族葬、直葬(火葬式)との違い
- 1日葬の事前相談に行った体験談
- 1日葬後に申請する葬祭補助金
- 1日葬のデメリット
- 1日葬のメリット
1日葬の流れがわかる
1日葬は一般葬や家族葬と違い、通夜はおこなわれません。
1日葬という名称ですが、普通は亡くなった日を含め2日間でおこなわれます。
亡くなった時間により、一般葬や家族葬も亡くなった日を含め3日間になることがあります。
1日葬も同じように、亡くなった時間により3日間になることがあります。
1日葬は、次のような流れでおこなわれます。
1日目:お迎え→ご安置
2日目:納棺の儀式→葬儀・告別式→初七日法要(式中または火葬後)→お別れの儀式→火葬
わかりやすいように図解にしてみました。
葬儀と告別式って違うものなの?
葬儀と告別式は続けておこなわれるので、同じ扱いにすることが多いです。
正確には違うものになります。
葬儀と告別式の違いとは?
- 葬儀・・・仏式なら、僧侶による読経や焼香
- 告別式・・・家族、親族や一般会葬者による焼香、祈祷(きとう)、献花
1日葬をしたいけれど、どうすればいいのか悩んでいる人は、こちらの相談サービスが便利です。
1日葬と家族葬の違いは通夜がないこと
1日葬と家族葬の違いは以下のとおりです。
- 1日葬は通夜がない
- 式中に初七日法要がおこなわれることもある
- 家族葬より少人数でおこなうのが一般的
一つずつみていきましょう。
1.1日葬は通夜がない
家族葬は、通夜がありますが1日葬では、通夜はおこなわれません。
亡くなった時間によりますが、24時間以上経過してから、葬儀・告別式をおこないます。
2.式中に初七日法要がおこなわれることもある
家族葬の場合、火葬後に初七日法要がおこなわれるのが一般的です。
1日葬では葬儀・告別式の中で初七日法要も同時に行われることがあります。
3.家族や親族の少人数でおこなう
1日葬は家族葬と同じように、家族や親族のみの少人数でおこなうことが多いです。
家族葬より少ない人数で行うのが一般的でしょう。
- 直葬(火葬式)は1日目は1日葬と同じ。
2日目は葬儀・告別式はおこなわず、お別れの儀式と火葬のみ - 直葬(火葬式)は葬儀・告別式をおこなわないので、祭壇もなしとなる
1日葬の事前相談に行った体験談
夫の母は、90代後半で介護施設にお世話になっています。
父が亡くなったときは一般葬をおこないました。
葬儀・告別式後のお返しや、いなかなのでお付き合いがけっこう大変だったのです。
母のときは家族葬か、できれば1日葬にしようと以前から夫とも話し合っていました。
父の葬儀・告別式をお願いした葬儀社の会員になっていたこともあって、母のときも同じ葬儀社ですることを考えていたのです。
その葬儀社で事前相談がおこなわれると知り、夫と行ってきました。
葬儀社により違うと思いますが、事前相談に行った葬儀社では、葬儀一式をセットプランとして扱っていました。
1日葬のセットプランは、約40万円とのことです。
ちなみに家族葬のセットプランは、50万円~110万円でした。
直葬(火葬式)は、24万円くらいでした。
やはり家族葬に比べても1日葬は、かなり費用が抑えられます。
その他必要な費用は、仏式の場合は僧侶へのお布施、会葬返礼品、食事代などです。
1日葬は通夜がないので、通夜のときの食事代や会葬返礼品代が不要になります。
ポイント
セットプランになっている場合は、プランに含まれているもの、いないものを確認するのが大切です
特に会場料や、火葬場に支払う火葬料が含まれているかいないか確認しておきましょう
夫の母は高齢でいつ何があってもおかしくないので、事前相談に行ってよかったです。
これでいざというときに、あわてなくてもすむなあと思いました。
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1日葬が終わったら申請するべき葬祭補助金
葬儀後に 市区町村や健康保険組合に申請すると、葬祭補助金が支給されます。
- 葬祭補助金とは葬儀にかかった費用の補助
- 国民健康保険や、後期高齢者医療制度の葬祭補助金
- 社会保険の葬祭補助金は3種類
- 共済組合の葬祭補助金も3種類
一覧表で確認してみましょう。
保険の種類 | 申請先 | 内容 | 申請期間 | 補助金額 |
・国民健康保険 | 市区町村 | 葬祭費 | 葬儀をおこなった日の翌日から2年間 | 1~7万円 |
健康保険 | 健康保険組合 | ・埋葬料 | 埋葬料、家族埋葬料:死亡した日の翌日から2年間 埋葬費:埋葬をおこなった日の翌日から2年間 | 5万円 |
共済組合 | 共済組合 | ・埋葬料 | 埋葬料、家族埋葬料:死亡した日の翌日から2年間 | 5万円 |
順にみていきましょう。
1.葬祭補助金とは葬儀にかかった費用の補助
国民健康保険、後期高齢者医療制度、社会保険、共済組合に加入している人が亡くなったときに申請します。
葬儀が終わってから申請すると、葬儀や埋葬にかかった費用が支給されるものです。
加入している健康保険により補助金の名称や申請先、支給額が異なります。
申請期間は「葬祭費」は葬儀をおこなった日の翌日から2年間。
「埋葬料」「家族埋葬料」は、亡くなった日の翌日から2年間です。
「埋葬費」は埋葬をおこなった日の翌日から2年間。
葬儀費用の軽減になりますので、忘れずに申請しましょう。
2.国民健康保険や、後期高齢者医療制度の葬祭補助金
「葬祭費」という名称です。
葬儀をおこなった人(喪主)が市区町村に申請します。
喪主以外が申請する場合は、委任状と代理人の本人確認書類が必要です。
市区町村によっても違いますが、支給額は1万円〜7万円ですが、5万円のところが多いです。
申請期間は葬儀をおこなった日の翌日から2年間です。
- 亡くなった人の保険証(返却するために必要、亡くなってから14日以内に返却する必要がある)
- 埋葬許可証や死亡診断書のコピー
- 葬儀の領収書原本
- 印鑑(シャチハタでないもの)
- 振込先口座の確認ができるもの(通帳など)
- 申請者の本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
3.社会保険の葬祭補助金は3種類
条件により「埋葬料」、「埋葬費」、「家族埋葬料」の3種類の葬祭補助金があります。
埋葬をおこなった人が、健康保険組合に申請しましょう。
- 「埋葬料」は故人を埋葬した家族に支給される
- 「埋葬費」は故人の埋葬をおこなった人に支給される
- 「家族埋葬料」は被保険者に支給される
一つずつみていきましょう。
1.「埋葬料」は故人を埋葬した家族に支給される
被保険者が亡くなったときに、埋葬をおこなった家族に支給されます。
被保険者に生計を維持されていた人であれば、扶養者でなくてもかまいません。
必要書類は国民健康保険や後期高齢者医療制度と同じですが、住民票も必要です。
支給額は5万円です。
申請期間は亡くなった日の翌日から2年間です。
2.「埋葬費」は故人の埋葬をおこなった人に支給される
亡くなった被保険者に家族がいない場合は、埋葬をおこなった人に支給されます。
必要書類は国民健康保険や後期高齢者医療制度と同じです。
支給額は5万円です。
申請期間は埋葬をおこなった日の翌日から2年間です。
3.「家族埋葬料」は被保険者に支給される
被保険者の家族(被扶養者)が亡くなった場合、被保険者に支給されます。
必要書類は、国民健康保険や後期高齢者医療制度と同じですが、
亡くなった人の戸籍(除籍)謄本か抄本、住民票が必要。
支給額は5万円です。
申請期間は亡くなった日の翌日から2年間です。
4.共済組合の葬祭補助金も3種類
社会保険加入の場合と同じく「埋葬料」、「埋葬費」、「家族埋葬料」があります。
埋葬をおこなった人が、共済組合に申請します。
必要書類は、社会保険と同じです。
支給額は5万円です。
申請期間は社会保険と同じで「埋葬料」、「家族埋葬料」は亡くなった日の翌日から2年間です。
「埋葬費」は、埋葬をおこなった日の翌日から2年間です。
葬祭補助金があるなんて知らなかった・・・
申請期間が2年間なので、忘れないうちに申請しましょう。
1日葬のデメリット3つ
1日葬にも以下のようなデメリットがあります。
デメリット
- 亡くなった時間により、3日間になることがある
- 親族が1日葬を理解してくれないこともある
- 菩提寺(ぼだいじ)が1日葬を許可してくれない場合がある
菩提寺とは?
先祖代々のお墓があるお寺のこと
順にみていきましょう。
1.亡くなった時間により、3日間になることがある
たとえば亡くなった時間が夜の場合は、24時間安置するので次の日に葬儀・告別式はおこなえません。
亡くなった日の2日後に葬儀・告別式をおこないます。
その場合は、亡くなった日を含め3日間の儀式です。
2.親族が1日葬を理解してくれないこともある
日本では以前から、亡くなったら通夜をして葬儀・告別式をするというのが一般的になっていました。
最近では家族構成や価値観の変化により、葬儀も簡素化する傾向です。
以前からの葬儀のおこないかたが当然という考え方が、特に高齢者に多くあります。
1日葬を考えているのであれば、あらかじめ葬儀社に事前相談に行っておくとよいですね。
事前相談の内容を親族に説明して相談し、理解してもらうようにしましょう。
3.菩提寺(ぼだいじ)が1日葬を許可してくれない場合がある
お寺によっては、葬儀は通夜から葬儀・告別式とおこなうものと考えている場合があります。
通夜をおこなわないのは、あり得ないことという考え方かもしれません。
1日葬をおこないたい場合は、あらかじめ菩提寺(ぼだいじ)に確認しておくことが大切です。
1日葬のメリット4つ
1日葬には次のようなメリットがあります。
メリット
- 費用が抑えられる
- 通夜の食事や会葬返礼品がいらない
- 遠方の参列者の宿泊費用がいらない
- 仏式の場合、通夜の分の僧侶へのお布施がいらない
- 参列者への対応が減り、故人とゆっくりお別れができる
- 体力的、精神的な家族の負担が減る
- 感染対策になる
一つずつみていきましょう。
1.費用が抑えられる
1日葬では通夜をおこなわないので、次の費用が抑えられます。
1.通夜の食事や、会葬返礼品がいらない
一般的には通夜に参列してくれた人に、返礼品をお渡しすることが多いです。
また通夜が終わると、参列してくれた人に食事をしていただきます。
1日葬では通夜をおこなわないので、返礼品も食事代も必要ありません。
2.遠方の参列者の宿泊料金がいらない
1日葬は家族、親族のみですることがほとんどですが、遠方に住んでいる家族、親族もいるかもしれません。
通夜と葬儀・告別式の2日間参列してもらうとなると、日帰りでは難しいでしょう。
通夜が終わった日はホテルにでも宿泊し、次の日に葬儀・告別式に参列してもらうことになります。
通夜をおこなわないので、葬儀・告別式だけに参列して日帰りできるので、宿泊費がいりません。
3.仏式の場合、通夜の分の僧侶へのお布施がいらない
仏式の場合、来ていただいた僧侶へお布施をします。
通夜と葬儀・告別式のお布施は別々にするのが一般的です。
1日葬は通夜をおこなわないので、通夜のお布施は必要ありません。
2.参列者の対応が減り、ゆっくりお別れができる
1日葬は通夜をおこなわず、葬儀・告別式のみなので参列者の対応も1日ですみます。
家族は故人とゆっくりとお別れができるでしょう。
注意したいのは、通夜のように夜通し故人に付き添いたい場合は、追加料金が必要なことが多いです。
葬儀社により異なりますので、確認することが重要です。
3.体力的、精神的な家族の負担が減る
急に亡くなってしまう場合もありますが、長い闘病の末亡くなる場合もあります。
闘病期間が長いと家族の疲労も重なっていることでしょう。
そのうえ2日間の弔いとなると、体力的にもかなり大変です。
また、精神的にも落ち込んでいると思います。
1日葬では家族の体力的、精神的な負担が減るでしょう。
4.感染対策になる
最近増えている1日葬ですが、コロナ禍以降ますます選ぶ人が多くなっています。
やはり感染対策として、1日ですませたいと思う人が増えたと考えられるでしょう。
1日葬で感謝を持ってお別れを
近年、家族構成や価値観の変化などにより、葬儀は今までの形から変化しつつあります。
参列者の対応などに追われることなく、故人との最後の時をゆっくりと過ごしたいという人が増えたのかもしれません。
通夜や葬儀・告別式があるかないかではなく、故人のことを思い、感謝することが大切なのではないでしょうか。
私も1日葬の事前相談に行って心の準備ができたので、いざという時もあわてずにすみそうです。
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